薬剤師転職deリスタート

在宅医療薬剤師とは?役割や仕事内容、在宅あり求人の注意点

Pocket

 

薬剤師の皆さん、こんにちは。

 

皆さんは、「在宅薬剤師」についてご存知でいらっしゃいますでしょうか。

 

 

在宅薬剤師は、近年益々需要が高まっている「在宅医療」に、薬剤師として関与する人達のことです。自宅または家族の家で療養されている患者さんに向けて、他の在宅医療スタッフと連携を取りながら、処方箋の調剤から服薬の説明、指導等を行っていきます。

 

 

厚生労働省の調査によると、薬剤師による在宅訪問の頻度は2000年頃と比べると約3.6倍に増加しているそうです。2000年4月に施行された介護保険制度を契機に、薬剤師が在宅で薬剤管理指導を行うケースは年々増えてきています。──もしかしたらこれから先、「在宅薬剤師」が薬剤師の働き方の主流のひとつになってくる──といったこともあるかもしれません。

 

 

そこで今回は、そんな在宅薬剤師について、詳しく見ていきたいと思います。

薬剤師の在宅医療に関する役割とは

まず、在宅薬剤師は、在宅医療内においてどんなことが「期待」されているのでしょうか。

重複投薬相互作用のリスクチェック

cd7e4e488833855056ee4aec52c15e99_s

 

高齢者の方は加齢による合併症を引き起こしていることが多く、それに伴って多くの調剤を服用している、いわゆる「多剤併用」の傾向下にあることが多いです。その為、重複投薬相互作用のリスクが増大しているケースも多く、医師やケアワーカー、看護師からではそのリスク度合を正確に見ることは不可能なこともあり、薬剤師が在宅医療に関与する必要性が高まってきているのです。

視覚・嚥下等の機能低下等による服薬管理困難の支援

在宅医療を希望される高齢者の方々で、視覚や嚥下機能の身体機能が低下によって服薬が自力でできないケースも少なくありません。そのようなときに、薬剤師による、適切な服薬指導と、患者さんの状況・環境に合わせての服薬説明が必要とされるのです。

飲み残し、飲み忘れといった「残薬」状況のチェック

薬剤師の方が高齢者の自宅を訪ねると、引き出しから山のように残薬が見つかることが少なくありません。なぜかというと、高齢になるほど薬の種類が増えて管理は難しくなり、更には加齢に依る記憶力、認知力といった機能低下も重なって、飲み残しや飲み忘れ、飲み間違いのリスクが高まるからです。

 

 

そして、薬剤師の方が患者を訪問する最大のメリットは、この「残薬」が減ることにあると言っても良いでしょう。患者さんの服薬を適正にしていけることは勿論、更には残薬を減らすことは医療費の抑制に直結するからです。日本薬剤師会の調査によりますと、75歳以上の処方薬の残薬は年間500億円にも上ります。そして、その残薬を薬剤師の訪問で減らしていくことによって、年間400億円の医療費が削減できるというのです。

薬剤師の在宅医療に関する仕事内容・やりがいは

a6169e0bf8f536108f82b8cf1f29cd1b_s

 

続いては、在宅薬剤師の仕事内容にはどのようなものがあるかを見ていきましょう。

在宅薬剤師の主な仕事内容

・処方せんに基づき、患者の状態に応じた調剤(例:一包化、懸濁法、麻薬、無菌調剤)

・患者さん宅への医薬品・衛生材料の供給 ・薬歴管理 (例:薬の飲み合わせの確認)

・服薬の説明 (服薬方法や効果等の説明、服薬指導・支援)

・服薬状況と保管状況の確認(例:服薬方法の改善、服薬カレンダー等による服薬管理)

・副作用などのモニタリング

・在宅担当医への処方支援(例:患者に最適な処方(剤型・服用時期等を含む)提案)

・残薬の確認、管理、麻薬の服薬管理と廃棄

・ケアマネジャー等の医療福祉関係者との連携と情報共有

・医療福祉関係者への薬剤に関する助言、教育

在宅薬剤師の仕事内容の多くは、通常の薬剤業務と同様のものになります。ですが、それ以外にも高齢者や要介護者向けの対応としての薬歴や服薬、残薬の管理、他の在宅医療スタッフとの連携業務も含まれてくるところが特徴と言えるでしょう。

在宅薬剤業務のやりがいとは

在宅薬剤師の方々が感じるやりがいで一番多く挙がってくるのは、「患者さんとの信頼関係の構築と、価値発揮」です。

 

 

特に在宅医療においては、薬剤師は患者さんと密接な関係が築きやすく、患者さんご本人だけでなく、そのご家庭や地域との連動や相互の信頼関係・協力体制を築ける場合も多くあります。近年においては、学生の間でも地域を支えるチーム医療に興味が高まっており、在宅医療を行う薬局にはそういった関心や志を持つ、優秀な学生が集まってくるケースもあるようです。

 

 

その他、在宅医療における薬剤業務は、医師やケアマネジャー、看護師との連携がとても重要となってきますので、そういった他の医療従事者の方々との連携業務による相互支援といった点も、大きなやりがいになっているケースも多いようです。

在宅薬剤師に必要なスキル

b668e6f94a84265888f5df33a615917d_s

 

ここまでで、「在宅薬剤師」は通常の薬剤業務のほかにも役割や仕事内容があり、かつそれらが大きな役割にも繋がっているということをお話してきましたが、実際に在宅薬剤師にはどのようなスキルが必要とされるのでしょうか。

コミュニケーション能力(患者・家族・医師・看護師・ケアマネジャー)

在宅薬剤師に求められるスキルとしてまず挙げられるのは、「コミュニケーション能力」です。在宅医療は「地域医療」とも呼ばれ、様々な役割を担う人々との連携をシームレスで行えることによって、はじめてその効果を高められるのです。

 

◇ 在宅医療(地域医療)の登場人物(一例)

・患者さん

・ご家族の方

・地域ケアマネジャー

・医師 ・看護師

・歯科医師

・その他医療/介護スタッフ

・行政関係者 ・薬剤師

 

こういった関係性の中で、在宅薬剤師は頻繁にコミュニケーション能力を求められます。薬剤師としての主張を相手に理解してもらうだけでなく、相手の状況や考え方、価値観も理解しての対話が必要になることも多いでしょう。

 医療や介護に関する知識

在宅薬剤師が接する患者さんは高齢者の方や要介護の方が殆どになります。そして、同じように在宅医療を行う医師やケアマネジャーと、医療や介護についてのコミュニケーションを取る機会も増えてくるでしょう。

 

 

その際にきちんと状態、状況を理解して適切な判断を取れるようにするためにも、在宅薬剤師は一定の医療知識、介護知識を持っておくことが大切です。

 

 

特に終末期医療などでは、患者さんのQOL向上と服薬管理はかなり密接にかかわってきます。そしてその服薬状況を医師やケアマネジャーに報告し、ときに指導していくのも在宅薬剤師の役割なのです。その際に、相手の持つ専門知識についてある程度は知っておかないと、ちょっとした誤解や認識の齟齬からスムーズな指示・指導が行えなくなってしまうことも起こりえます。

在宅薬剤師の求人の注意点

続いては、在宅薬剤師の求人情報をチェックするときの注意点について説明していきましょう。

在宅業務の有無と比率を事前にチェックすること

年々ニーズの高まってきている在宅薬剤師ではありますが、実際に在宅医療を行う薬局数は全体の15%程度と言われています。9割近くの薬局は在宅医療を行っていないということですね。また、在宅薬剤師として募集をしている病院や薬局でも、在宅業務100%での募集の場合もあるでしょうし、院内や店内の業務と並行しての募集の場合もあります。

 

 

つまり、在宅薬剤師として働こうとされる場合は、まず求人先の病院や薬局にて「在宅業務」があるかどうか、という点とその比率をきちんと事前にチェックすることが大切です。

 

 

在宅薬剤師としての業務は、どうしても1件当たりの対応に時間がかかるので、他の薬剤業務と比較してそれ程大きな収益効果は見込めないのが通常です。また、在宅医療は本来24時間、365日という体制が求められるのに対して、薬剤師の在宅業務にそこまで対応を整えている病院や薬局は、今のところまだ殆どないのではないでしょうか。このように、「薬剤師の在宅業務をどの程度対応していくか」というのは、その病院や薬局の方針や理念にも密接に関わってくるところになります。求人に応募される薬剤師の方は、そのあたりも踏まえて、勤務先をお探しになられると良いかもしれません。

地域によって年収や労働条件の違いが大きいことを知っておく

140ae35af7389a05833e6d480a4ed743_s

 

 

在宅業務に限らず、薬剤師のお仕事は地域によって年収が大きく変わってくることが多くあります。どんなに希望する業務内容とマッチしているからと言っても、生活できるレベルまでの収入に至らないようではやはり長く続けることは困難になるでしょうし、事前に年収などの労働条件はしっかりチェックしておくことをお勧めします。

 

 

また、在宅業務は都市部と地方部によって業務スタイルも若干異なります。

 

都市部の在宅業務は、移動手段に自転車等を使われるケースが多いようです。人口の密集度という点から、そのほか医療機関の数も多いこともあって、担当分野も自転車等で回れる範囲で数多くの患者さんを診れるということでしょう。

 

 

地方部の在宅業務は、移動手段が自動車となるケースが多くなってきます。人口分布が都市部と比較してまばらに広がっている地方部では、患者さんとの物理的距離も遠くなることも多い、ということですね。

 

 

このように、在宅薬剤師は、地域によって労働条件や働き方も変わってきますので、転職の際はきちんと求人先に給与や保障などの待遇面から、1日の仕事の流れなどもしっかり訊いておくと良いでしょう。

在宅ありの求人数が多いおすすめ転職サイト

ここまでお読みになれて、「在宅薬剤師の仕事、結構興味あるかも…」と思われた方もいらっしゃることでしょう。そこで続いては、在宅薬剤師の求人に比較的強い、転職サイトをいくつか紹介していきたいと思います。

在宅薬剤師の求人に強い転職サイト1 【ファルマスタッフ】

ファルマスタッフ

 

 

「在宅薬剤師の求人に強い転職サイト」に強い転職サイトとしてお勧めできるのが、東証一部上場の大手調剤チェーンの日本調剤グループが運営している「ファルマスタッフ」です。

 

 

ファルマスタッフの大きな特徴としては、薬剤師を募集する企業の求人を掲載する前に、必ずその職場を訪問して、職場の環境やそこで働く方々の雰囲気などの情報を集めるようにしているということです。その為、前述であったような、「在宅薬剤師」としての働き方がどのような状態かも、情報が収集されやすい仕組みになっているということですね。

 

 

更には薬剤師専門のキャリアコンサルタントが専属で担当につき、求職者の方々のニーズやご不安箇所に合わせての対応が実現されやすくなっていますので、忙しくてなかなか転職活動の準備がはかどらない方や、はじめての転職活動で不安な方にも特にお薦めの転職サイトです。

 

 

 上記「ファルマスタッフ」のサイト内の求人検索機能でも、「在宅あり」の項目がありますので、まずはご希望の勤務地での求人数からチェックされてみると良いかもしれません。

 

 

在宅薬剤師の求人に強い転職サイト2 【マイナビ薬剤師】

マイナビ薬剤師

 

 

マイナビ薬剤師」は、株式会社マイナビが運営する薬剤師向けの人材紹介サービスです。とても知名度の高いサービスということもあり、すでにご存じという薬剤師の方々も多いのではないでしょうか。求人数も常に非常に多く、公開求人数で1万1000ほど、非公開求人数も含めると更に多くなります。

 

 

また、株式会社マイナビは東京本社以外に全国に51もの支店があり(北海道 ・東北7支店、関東18支店、中部11支店、関西6支店、中国・四国4支店、九州5支店)、首都圏以外の地方在住の薬剤師の方々からもアプローチしやすい環境にあると言えるでしょう。

 

 

「マイナビ薬剤師」のサイト内の求人情索機能でも、「在宅業務あり」の項目がありますので、ご希望の勤務地での在宅薬剤師の求人状況をサイト上でチェックすることも可能です。

 

 

マイナビ薬剤師は、ご利用される薬剤師の方々の満足度が高いことでも有名です。人気の理由はキャリアコンサルタントの手厚いサポートと、全国でのサポート展開の2つが大きいようです。

 

 

まとめ・在宅薬剤師はこんな方におすすめ

ここまで、在宅薬剤師に関してお話していきましたが、如何でしたでしょうか。

 

 

在宅薬剤師は特にこんな方におすすめのお仕事です。

 

地域医療、在宅医療に関心がある。
患者さんとより密接な関係を築きながら、サービスを提供していきたい。
地域医療ネットワークとして、医師や看護師、ケアワーカーとの連動での仕事に携わりたい。
薬剤以外の分野について、学べる機会を持ちたい。
患者さんだけでなく、そのご家族や地域とも相互支援し合いながら、働ける環境に身を置きたい

 

これからの社会で一層求められてきている「在宅医療」と、「在宅薬剤師」。

 

──今後も薬剤師として活動を続けます皆さんも、もしかしたら近い将来、在宅薬剤師としての働き方や、その役割、社会的意義について、自分事として検討する日が来るかもしれませんね。

 

 

 

Pocket

薬剤師転職サイト おすすめランキング

薬キャリ(エムスリー)

マイナビ薬剤師

ファーマキャリア